脳梗塞とは、脳にある動脈にコレステロールなどが蓄積して動脈内が狭くなったり、動脈自体が細くなったり(狭窄 きょうさく)あるいは詰まったり(閉塞 へいそく)することで脳自体に栄養や酸素が行き渡らず脳の組織が壊死(えし)してしまう疾患=病気のことです。
ところで、脳卒中という言葉をよく耳にすると思います。
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、脳が障害を受ける病気です。脳卒中には以下の3つが有ります。
- 脳梗塞
- 脳出血
- くも膜下出血
脳卒中患者の割合は 脳梗塞75.9% 脳出血18.5% くも膜下出血5.6% だと言われています。(脳卒中データバンク2015より)
脳卒中の中でも圧倒的に脳梗塞で苦しんでいる患者さんが多いのが現実です。
脳梗塞は発症後数分から数時間で脳の組織が壊死(えし)してしまいます。一度壊死した組織が復活することはありません。脳梗塞発症後、リハビリテーションにより失った身体機能を一部取り戻すことが有りますが、効果は限定的です。それは死んだ脳の組織が復活することがない為です。身体機能が一部回復するメカニズムは、脳の中で今まで使われていなかった組織が死んだ脳組織を補う働きをすることによって機能が回復すると考えられています。つまり脳梗塞によって失われた組織が回復した訳では有りません。
今までの脳梗塞になってから治療するという認識では後遺症に苦しむことになりかねません。健康と病気の間にある未病に意識を向ける必要があると考えるのはこの為です。気付かぬ内に脳の中では脳梗塞が進行している場合が多く有ります。未病を意識し予兆を見逃さないようにすれば後遺症に苦しむ患者さんを減らす事ができるのではないかと期待しています。
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