Vol.1 健康と病気の間にある未病
長年、医療に従事していると、「手遅れ」という言葉を耳にすることがあります。
国語辞典で調べてみると、「手当や処置すべき時機を逃すこと」と書かれています。
時機の捉えによって、医療の結果は大きく異なります。
では、この時機とはどの時点を指すのでしょう。
従来の医療では、健康-病気と捉えることが多いように思われます。病気になってはじめて通院し、手当や処置をするのが一般的なのではないでしょうか。
これまでの経験上、病気になってしまってから健康に戻すことはなかなか難しいものがあります。むしろ厳しい結果を迎えることの方が多いように思います。
特に脳梗塞という病気。脳梗塞になってしまうと、血管が閉塞した結果、麻痺などが残ることが多く、リハビリや車いす、寝たきりなどの生活を強いられることが多いようです。
では、なにが問題なのでしょう。
私は従来の健康と病気の間に、健康でも病気でもない「未病」という状態を位置づけました。
健康-未病―病気と捉え、未病を発見し治療し健康に戻すことを未病医療としました。
この未病という時機が、健康に戻せる重要なタイミングであるという確信から、未病医療を展開しています。
腎研クリニック院長 金澤武道
腎研クリニック 院長 金澤 武道 著書