脳梗塞は発生する血管の太さや詰まり方によって以下3つに分類されます。
1)ラクナ梗塞(31.9%)
2)アテローム血栓性脳梗塞(33.9%)
3)心原性脳梗塞(塞栓)症(27.0%)
その他(7.2%)
アテローム血栓性脳梗塞が近年増加傾向にあると言われるのは、食生活が欧米化することで一般的に言われる血液がどろどろの状態になり血栓ができやすいだと考えられます。
3つに分類された脳梗塞の特徴をそれぞれ見てみましょう。
ラクナ梗塞:
脳の太い血管は次第に細い血管(穿通枝:せんつうし)へと枝分かれしていきます。その細い血管が詰まって起こる直径1.5mm未満の小さな梗塞です。小さいのでM R Aでは血管を確認することができない場合が多く、医師の高い読影技術が必要とされます。
・詰まる血管:穿通枝
・症状の特徴:病巣が小さいため比較的症状は軽い
・主な原因:・高血圧 ・糖尿病 ・脂質異常症
アテローム血栓性脳梗塞:
太い脳動脈で動脈硬化が進行し動脈の内側に脂質やマクロファージなどを含むアテローム(粥腫:しゅくしゅ)が形成され、血管が狭くなったり、梗塞(=ふさがる)したりすることで起こります。M R A、M R I検査を行うと、無症状の患者さまでも脳梗塞が始まっていることを発見しやすい「隠れ脳梗塞」である未病状態で発見することが可能です。
・詰まる血管:主幹動脈
・症状の特徴:・段階的に徐々に悪化していく ・少しずつ血管が狭窄(きょうさく)(=狭くなる)していくため一過性脳虚血発作(=T I A)が起きやすい
・主な原因:アテローム性の動脈硬化
心原性脳梗塞(塞栓(そくせん))症:
心臓から流れて来た血栓が脳動脈に詰まり(塞栓)、広範囲の脳組織が壊死するなど機能を失い、一旦失われた機能は元に戻ることはありません。
腎研クリニック院長 金澤 武道 著書
by かなぽん