1. 脳血栓症とは
「脳血栓症」とは脳内の血管が固くなり(動脈硬化)、コレステロールや血栓などの血液成分が血管内に徐々貯まり細くなり最終的に血流が途絶えてしまうことを言います。
脳血栓症はいきなり起こることはなく、発症前に目眩(めまい)や頭痛などなんらかの予兆があるのが特徴です。吐き気が治らない、手足が痺(しび)れる、言葉をうまく発することが出来ない。そんな症状を本人では無く家族が気づいて病院を訪れる方が多くいらっしゃいます。
2. 脳塞栓症とは
「脳塞栓症」は心臓など脳以外から血栓が脳に運ばれて来て脳の血管を詰まらせて発症します。徐々に脳塞栓症はいきなり倒れることが多いとされています。しかし詳しく見ていくと、脳塞栓症もいきなり倒れるのではなく、発症を予測することが出来ます。高血圧や動脈硬化などは脳塞栓症の一因となり得ます。アルコールの摂取量が多い、睡眠不足になりがち、ストレス過多、倦怠感が抜けない。こういった生活習慣とも関わる部分に関しても目を向けることで、脳塞栓症を引き起こす可能性が高いと考えられるのです。
補足
以前のコラムで書いた通り、最近では脳梗塞を発症の原因別に「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳塞栓症」の3つのタイプに分けるようになりましたが、いずれの場合も脳梗塞が発症する予兆や予見できる合図を見逃さないことが大切です。
【要 約】
・「脳血栓症」は徐々に血管が詰まり、発症までに明らかな予兆があることが多い
・「脳塞栓症」は心臓などの血栓が脳血管に飛んで行き血管を詰まらせる。一般的に突然倒れると言われるが、高血圧や飲酒などの生活習慣、倦怠感など相互的にみると予見することが出来る
・「脳血栓症」や「脳塞栓症」は現在は脳梗塞発症の原因別に「ラクナ梗塞」「アテローム血栓生脳梗塞」「震源洗脳塞栓症」の3つにタイプに分けるが、いずれも脳梗塞発症の予見が可能
腎研クリニック 院長 金澤 武道 著書