1.一過性脳虚血発作(T I A)とは何か
一過性脳虚血発作(T I A)とは、一時的に脳への血流が悪くなり、脳に酸素や栄養素が運ばれないことにより、神経脱落症状が現れる発作のことを指します。
片麻痺、失語、痺(しび)れなど、脳梗塞と同じような症状が2〜15分、長いと24時間程度続き、自然に消失します。水分補給など様々な要因で、詰まっていた血栓が溶けたり、一過性に低下していた血流が回復するためです。
脳梗塞の前触れと言われており、T I Aが見られた10〜15%の人は3ヶ月以内に発症するとされ、さらにその半数は2日以内の発症することが明らかになっています。
2.発症しスクを示すA B C D2スコア
発症リスクを示す指数にはA B C D2スコアが用いられています。
T I A 発症後2日以内の脳梗塞発症率は以下の通りです。
・0〜3点・・・1.0%
・4〜5点・・・4.1%
・6〜7点・・・8.1%
3.診断方法
M R A、M R I、血液検査、血小板凝集能、血圧測定、心電図、頸動脈エコーなどを行い、T I Aを起こすに至った原疾患を探します。
4.治療
緊急性度合いに応じた治療を行います。動脈から血栓が飛んだ可能性が高い場合にはアスピリンなどの抗血小板薬を、心房細動があり塞栓症が疑われる場合にはワーファリンなどの抗凝固薬を投与一旦投与し緊急措置を行います。その後、血管を活性化させ血管の強度を上げるために未病治療を行います。
腎研クリニック 院長 金澤 武道 著書
角谷 研司