1)コレステロールは結合蛋白質(リポ蛋白質)によって様々な種類(VLDL、LDL、HDL)のものがあります。その中でもLDLは末梢の組織にコレステロールを運ぶ作用があり、HDLは組織からコレステロールを肝臓に運ぶ作用があります。一般にはL D Lコレステロールを悪玉、H D Lコレステロールを善玉と呼んでいます。

2)更に細かく言いますと危険なものは酸化L D Lで(悪玉)、HDLは善玉と呼ばれています。

3)L D Lはコレステロールを肝臓から運んで組織の方に運ぶ作用があります。酸化LDLの数値が高いと組織の方に障害を起こします。従って酸化L D Lが増えるとそれだけ危険性が高まります。

一方、H D Lは体の組織からコレステロールを運ぶ乗り物です。これが低いと組織に沈着していたコレステロールがスムーズに回収されません。従ってコレステロールが血管に残り動脈硬化のリスクが増大します。L D Lが高すぎないか(本当は酸化LDL)、H D Lが低すぎないかをチェックすることが大切です。

L D LとH D Lの適正値は下記の通りです。

■LDLの適正数値

・H(上)70-139 (mg/dl)

・L(下)70(mg/dl)

■H D Lの適正数値

・H(上)40-90mg/dl

・L(下)40mg/dl

H D Lが100mg/dl を超える程に高値の場合には、H D Lを肝臓に誘導するC E T Pと言うタンパク質が低いために、H D Lが余る事になり、血液のH D Lは高値になります。従ってH D Lも数値が高ければ良いという訳ではありません。

勿論、H D Lが低値の場合には、組織のコレステロールが循環しない事により生体としては良くないことになります。

腎研クリニック院長 金澤武道



腎研クリニック 院長 金澤 武道 著書